季節を伝える野鳥の姿・“尾瀬沼 野鳥便り”の3年を振り返る③(2013.12.10) [尾瀬沼より]

標高1660mの尾瀬沼畔では5月の雪解けから10月の紅葉まで季節の移り変わりは早い。
季節の変化とともに集う野鳥の姿・鳴き声・種類も変化してくる。

雪解けが始まる頃、山小屋の周りではイワツバメが飛び交い雪解け際ではアカハラやアオジが遊ぶ。
尾瀬沼の少し開けた水辺にはオシドリやマガモ等水鳥も見える。
雪解けが進むに従いカッコウやホトトギス始めキクイタダキやルリビタキ等々日増しに野鳥の声も賑やかさを増す。

そのような季節を感じさせる渡り鳥や、春になると低地から高山に上がってきて繁殖する野鳥達のその時々の野鳥を取り上げその一端を綴ってみたい。

5月の連休前に尾瀬沼に上がってくると辺りはまだ一面の雪景色
燧ケ岳をバックにイワツバメが飛び交う。

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沼明け前の尾瀬沼ではオシドリのペアを見かける。その後秋まで時々オシドリは顔を見せてくれる。

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アカハラも雪解けの地面に下りてお食事をする光景もこのころよく見る。

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そして間もなく木の頂きで朝夕しきりにさえずるアカハラの姿を見るようになる。

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夏が近づくころオオルリが尾瀬にもやってきて木の梢でさえずるのを目にする。

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マヒワも秋に渡りの途中立ち寄ったのかノアザミの実を食べたりする姿に出会っている。
春の残雪の頃にも雪の上で見る事もある。

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ジョウビタキは秋にはやはり南へ移動の途中立ち寄るのでよく見かける。
こちらは春にたまたま梢でさえずるジョウビタキに出会った時の様子。

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ハチクマは夏が過ぎるころ時々上昇気流にのっている鷹柱を見せたり上空を通過するのを見る事がある。
そんな時たまたま木道のすぐ近くの高木の頂きに止った時の姿がこちら。

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後で野鳥仲間に聞いたところ“ハチクマのようだ”と示唆してもらった。ワシタカの仲間を近くで見る機会は多くないのでこの時の迫力ある顔つきは今でも覚えている。

紅葉が進む10月中旬となるとアトリが北よりの移動途中立ち寄る。

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多い年には数万羽というアトリの一団に膨れ上がる事も
アトリが群れる頃尾瀬の朝晩の気温は0℃以下となることもあり間もなく深い雪景色に変わることを伝えているようだ。

10月に入ると毎年シベリアから渡ってくるヒドリガモの一団にコガモやカイツブリ・オオバン・バン等が加わって尾瀬沼にやってくる。

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春に周辺の森から上がってきて秋には低山に移動していくカケスがこちら

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カケスはどことなく“パ~ラ パ~ラ”とぎこちない飛翔という感じで頑張れよと声をかけたくなる。
カケスが山を下りて行くときは10羽前後の集団となっていることが多いように思う。
その頃ホシガラスも高山で夏を過ごし10月の声を聞くころ尾瀬でも出会う事が多くなる
尾羽の白い線をなびかせながらのホシガラスの飛翔はとても印象的。

こうしてほんの一例をあげて季節の移り変わりを見てきましたが比較的草紅葉の頃に見かける野鳥がこの他にも多い。
アオバト・イカル・シメ等々見かける事もある。また種の特定は出来なかったがシギの小集団が見せたりもする。
尾瀬沼周辺ではまだまだ思いがけない季節の変化を感じさせる野鳥との出会いがこれからも楽しみです。

2013年度の“尾瀬沼 野鳥便り”は今回で最終とし 来シーズンもできるだけ尾瀬を歩きその時々の野鳥との出会いを引き続きお伝えしていければと思います。(了)
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